はじめに
今回はGCPの無料枠でdev.toなみの爆速Wordpress環境を構築する方法を紹介する。巷で話題になっていたdev.toなみの爆速Wordpress環境を全て無料で構築しようと思う。もちろん独自ドメインも無料で取得するので、ちょっとしたブログ環境を構築するのにもいいかなと思う。また今回紹介する方法であればマルチサイト運用もできるので、一つの無料枠インスタンスで複数のWordpress環境を構築できる。
ちなみに当サイトもこの方法で構築したWordpress環境で動かしている。ドメインは「.net」の有料ドメインを使っているので、年に一度ドメイン代約1200円を払うだけなのでコストで言えば月間100円である。しかも爆速なのである。
Google Cloud Platformでは無料枠の低スペックのインスタンスを利用するが、Wordpressは定評のあるKUSANAGI(「KUSANAGI Runs on Docker」)で構築し、CloudflareのCDNと先読みのinstanceClickを取り入れることで、すべて無料なのに体感速度はdev.toなみになる(予定)。
作業工程はいくぶん長くなるので、いくつかに投稿をわけて紹介しようと思う。
無料でdev.toなみの爆速WordPress環境を構築する手順は
ざっとした手順は下記のとおり。
WordPressで使う無料ドメインをfreenomで取得
freenomの無料ドメインサービスを利用してドメインを取得する。すでにドメインを持っている、もしくは有料ドメインを取得して構築するのであればこの手順は不要。
Google Cloud Platformの無料枠でサーバーを構築
サーバーはGoogle Cloud Platformの無料枠のVMインスタンスを利用する。無料枠なので非力ではあるが「KUSANAGI Runs on Docker」を利用し、サーバーも適切に設定してあげれば実用的な動作を実現できる。無料にこだわらなければその他の有料サービスを利用してもいい。ちなみにGCEの無料インスタンスは長期トライアルの時だけでなく長期トライアルが終了しても無料で使い続けられる(USリージョンの一部に限られるが)。
取得したドメインをCloudflareに設定
爆速を目指すにあたってHTMLデータもCDNにキャッシュさせる必要がある。CDNサービスはもちろん無料で使えるCloudflareを利用する。以前は不安定で不評だったが最近は安定して動作しているようだ。
「KUSANAGI Runs on Docker」でWordpress環境を構築
公式ページで掲載されているインストール方法だと様々な問題があり実用的ではない。Let’s EncryptのSSL未対応やアップロードファイルの容量制限などがあるが、今回紹介する方法で構築すればそれらの諸問題も解決できる。
サーバー構築後のWordpress設定
「KUSANAGI Runs on Docker」でWordpress環境を構築する時点で諸問題はほぼ解決できているがその他の細かい設定などをここで紹介する。
WordPressのプラグインとCloudflareを使ってdev.to並の爆速環境を構築
dev.toでは様々な技術を取り入れられているが今回構築する環境も仕組み的にはほぼほぼ同じ原理となっている。これらをWordpressのプラグインとCloudflareを使って実現する方法を紹介する。すでに運営しているサイトでも、この方法を取り入れればいくつかの制限があるが爆速になる。
これらの作業所要時間は取得したドメインの反映時間を除いて2時間ほど。コマンド入力での作業などに慣れている人であれば1時間でもできるかもしれない。
「KUSANAGI Runs on Docker」の問題点の解決にあたって
上記にも書いているが「KUSANAGI Runs on Docker」で公式通りに構築した場合に下記のようないくつかの問題点があるが、今回紹介する方法ではこれらの問題も解決している。解決するにあたっていくつかのサイトを参考にさせていただいたので感謝いたします。
爆速度合い
GTmetrix

こちらは「GTmetrix」で計測した結果。3.6秒ではなく360ミリ秒なのである。運がよければ200ミリ秒台もたたきだせる環境となっている。それにオススメのテーマ(Iconic One)を使えばスコアもこのようにPageSpeed Scoreでは100%、YSlow Scoreでも97%を実現している。
PageSpeed Insights
そして「PageSpeed Insights」ではモバイルで「98」パソコンでは「99」という高いスコアを叩き出している。「PageSpeed Insights」でこのポイントを叩き出すのはなかなかの至難である。このポイントはWordpressのプラグイン「Autoptimize」のカスタマイズ設定によるものが大きい。


爆速デモ体験
さて気になる成果だが下記にリンクを二つ貼っておくので実際にご体験ください。
お分りいただけただろうか。このように爆速サイトが無料で実現できるのである。
このサイト自体も同じ手順で構築した環境で動作している。上記の手順で違うのは有料の独自ドメインを使用していることくらいで、問題なく運営できているしCloudflareにキャッシュさせていようがちゃんとGoogle Adsenseの広告も表示されている。つまりちゃんと実用できているというわけだ。しかし、現状解決できているのか不明な箇所(Let’s Encryptの定期更新に対応・コメント時の自動キャッシュ削除)もあるが、安定してサーバーは動き続けている。
注意点
「無料で」とうたっているが稼働しているサーバーと中国間で通信が発生した場合に通信料が取られる。当サイトも同環境で運用しているのでその通信用が発生しているが、月間で1円以下であるため今の所、支払いは発生していない。
また記事内で後述するが、長期トライアル中は支払い登録は発生しないが、長期トライアルが終了する1年後には支払い登録が発生するので、それまでに登録すること。でないとサーバーは止められてしまう。しかし、登録後も該当インスタンスは無料で使い続けられるのでご安心を。
まとめ
ここまで書いておきながら自分はそんなに専門的な知識を所有しているわけでもないので、特に手順の中で紹介しているコマンドや構築方法に不備が混じっている可能性もある。実際に構築し運用していくのは各々の責任でお願いいたします。また運用するにあたっては必ずプラグインを使ってバックアップを定期的に行っていくこと。そうすれば不意のデータ損失にも対応できる。ちなみに定期的にWordpressをバックアップする場合のオススメは「UpdraftPlus – Backup/Restore」と「Google ドライブ」のコンビネーション。
では【第2回】GCPの無料枠でdev.toなみの爆速Wordpress環境を構築する(Freenomでの無料ドメイン取得編)でドメインの取得から始めよう。
“【第1回】GCPの無料枠でdev.toなみの爆速WordPress環境を構築する(爆速は正義)” に15件のコメントがあります